CMなどとは異なり、動画プロモーションは現在では当たり前。しかしその用途は広く、店頭プレビュー、イベント会場、社内でのプレゼンなど多様なニーズがあり、それぞれの特性が求められています。条件によって最も異なるのはオンエアの尺(長さ)ではありますが、対象の世代や属性によってカット割りやセリフの構成が変化します。
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動画配信フリーの今…問いかけが必要
YouTubeなどでの気軽が配信ができる現在「全てを見せてしまう」と、プロモーションにつながりません。観光や学習プログラムについては、それで完結してしまいます。なので「起承転結」ではなくて「起承転転」を心掛けて作ります。簡単にいうと問いかけを残すことによって、その場所に行く動機や購買意欲が発生するからです。
・大阪湾と海の学びのプロモーション動画
くわしくは「大阪湾チャンネル」にて
https://www.youtube.com/channel/UCmyEqgZyYLzza4sC3Z6uxeA/videos
日本財団の支援を得て「海の学び」の振興を目的とした動画で、2019年に公開したものです。海に触れる、博物館を利用する、市場に行ってみる…探求型学習を家族とともに感じていただき、学校の先生方の教材としての利用を目標としました。
店頭やイベント会場でのエンドレス放映
薬局などで見かけますね、小さな液晶テレビ画面。テレビCMと同じものが流れているとお考えの方も多いかもしれませんが…実は違います。尺が短くなっています。フェイス、棚を通り過ぎる方のスピードなのです。CMが15秒とすると、棚の前を通り過ぎるには2~3秒。特定商品をさがしている方でも5秒前後でしょう。ゆえにTVCMと連動したタレントなどの起用が肝心となります。
テレビタレントが使えない場合、インパクトでひきつけます。いわゆる広告の3B。ビューティー、ビースト(動物)、ベイビーです。
・「スピットファイヤー」イベント用動画
これはイベント会場でリピートしながら流すという代表的な例です。イベント会場では薬局と異なり、商品に関心のある方は足止まります。スタッフはその様子を確認し、セールストークできる相手であると認識できるわけです。また低予算で作成したため、ビューティー(この娘は後に有名になった)、ビースト(犯罪者?)を入れ、あとは心理的なこわさの表現にとどまっています。2004年の制作。しかし、現在の通信販売動画に関してもセオリーは同じです…ただ…利用者の声(大部屋役者)とかSNSでの拡散とかが付加されていますが。
商品開発、モニタリング動画報告
新規商品開発についてはもちろん、いわゆる報告資料的にも使われるのがプロモーション動画。販売促進の領域は広く、こちらは全く公開環境によって作り方は変わってきます。今日ではテレビのワイドショー的にパネルやグラフを用いることが主流ですが、案外基礎的指数が少なかったり、恣意的な誘導も散見でき、個人的には好きになれません。
・「PH-7のご紹介」
1999年に制作したものですが、圧倒的に「絵」で押し切ります。「マチノヒト」の声を有効に活用できていると思います。私は現場主義でして、現在でもルポルタージュ的にはこの手法は有効と信じていますが、たまに「もっとやかりやすくしろ」と池上彰的な要望もあります。さてどうしたものか。考える余地を提供するうえであいまいさも必要であると。
市場調査、社内でのプレゼン動画は?
頭の固い管理職むけにと依頼されたのが1996年制作、本作品です。市場の変化に対応できる職場、商品開発を理解してくれというものでした。こういった明確な制作意図があると、作り手はむしろ楽で、プレゼン時間を想定して「あんたらどうする?」という結局現在の「起承転転」に近づいていくから面白いものです。
・「ポケベル世代調査映像」
松下電器産業オーディオ事業部の野心作でした。弊社設立当初であり毎日門真のテクニクスに通っておりました。零細企業のつらさも実感しつつ、現場感覚で動きまくったところ、事業部長も撮影現場のCLUBに連れ出し一晩を明かすなど良い思い出もあります。
この動画をきっかけに伝説的商品語SL1200LTDやPH-7、shokWAVEが生まれました。松下電器がパナソニックに変わるちょっとした理由の一つになったかもしれません。
余談ですが社内向け最新商品内覧会が大津プリンスで開催され、ヘリコプターで駆け付けた森下社長(当時)の前で、現役の人気DJの実演をさせたのは私です(笑)。このお話はまた改めて…。
その他代表的な動画は「動画映像、CF。PuPAの世界観」こちらをご参照ください。
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