以前はCF(コマーシャルフィルム)…最近ではCM(コマーシャルメッセージ)と呼んだほうがわかりやすいかもしれません。15秒の真剣勝負は現在の動画配信とは全く異なる世界です。これの完成度を高めるうえで企画、コンテ、ロケ撮影といった動画制作のソフト業務が非常に重要なのです。
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コンテなんて作らないでしょう、今は
ライブ配信などをはじめ、構想だけで動画撮影してそれが配信できる、またそれが臨場感があり、多くの視聴者を集めるという構造とCMの世界は全く異なります。テレビでの放映が前提であり、やはりお金がかかります。しかし基本的に一回のロケとなりますので企画、そしてスタッフとの情報共有が“絶対”となるため、事前の練り合わせとして絵コンテ、ストーリーボードなどが不可欠です。
ユーチューバーさんのどれだけの方が、この緊張感をご存じかわかりませんが。コンマ数秒のカットのながれ、入れ方、出演者、照明や音楽を含めた演出があらかじめ構築されて、たった15秒に凝縮されます。
「大熱帯展」告知CF
上のコンテにほぼ忠実に作られたのがこのCMです。企画はもちろん子役さんたちのオーディションからかかわるわけですが、コンテがなければ成立しません。このイベントでは衣装制作、歌詞作成(ちなみに楽曲は東西屋さん)、撮影編集と大変な作業でした。この2年前の「大アマゾン博」などでグループアイドルなどを作り出しており、ある程度は慣れておりましたが。会場の構成案、基本ビジュアル、ポスターなどの制作も一元管理しましたので、統一感が出ています。
ロケにおけるアドリブももちろん優先する
いくらコンテを書いても実際のロケ地、天候、そして出演者の反応で状況は変化します。ここはもうディレクターの腕の見せ所となるわけで、タレントさんなどを使おうものなら、反応は千差万別。著名な方ほどNGが出しにくいということもあり、ロケにはクライアントの責任者を伴うケース(現場の承認のため)が多かったですね。
とはいえ、素人さんの出演であってもコンテ通りに構成するわけではありません。ベストな撮影ができたなら、それを素直に優先します。またそれを促すことも私どもの業務となります(弁当手配なども)。まだこのころはフィルムコミッションと化も存在しませんでしたので、ロケの説明など、現地の方々に許可承諾をとらなかったケースも少なくなかったですね。
「大阪アウトドアフェスティバル2001」告知CF
このCMはロケ地選びで苦労しました。なんとなく海辺のイメージなのですが、実はびわ湖湖西のとある漁港で撮影しています。じっくり見ていただくとお判りいただけますが、昔の船宿(おそらく明治ぐらい?)の建築物をさがして動画にしています。
ロケに失敗することも想定する
念入りにコンテを制作して撮影に臨んでみても環境や出演者の状況で、満足いかない動画しか取れなかったケースも想定します。こちらはコンテをさがしたのですが出てきませんでした。多分…私が気に入らなかったのでしょう。
「びわ湖アウトドアフェスティバル2003」告知CF
「びわ湖アウトドアフェスティバル2003」告知なのですが、その面白さを伝えるうえで奈良県吉野川で撮影。指定のポイントでの撮影をカメラマンに依頼したのですが、そもそも河原。慣れていません。サポートで私が35mmカメラでフィルム撮影した画像を使っています。CMとしてそれなりの完成度になっており、実際イベントは盛況でした。良い経験になりましたね。
CG以前の時代はアニメーション
アニメーションの指示は作画監督の領域には入れないので、本当にイメージだけでコンテを書いてました。現在ではパワーポイントなどを使って、より完成動画に近い指示を出していますが。
「大阪モーターショー」告知CF
ハッキリ言って肩の荷が重かったCMです。東京幕張で記録用に撮影した動画を、短期間で告知映像にせよと…なんだかわからないコクピット風のアニメを入れてごまかしました…というCMですね。
こういった15秒CMに欠かせないのは絵コンテであったりするわけです。現在も多くの方々が描き、それでプレゼンテーションしているのでしょう。軽く動画制作ソフトで「ちゃらちゃら」とお作りなさるものとは異なります。まぁ弊社でもそれを使わないと、コストが膨大になるのでスピードも費用も少ない作り方をしていますが。
他にも多くのCMを手掛けてきましたが、肖像権、特に所属事務所との関係があるためすべては公開できません。上に掲出しているものも、いつ、発信を停められるかわかりませんので、ご了承くださいね。
その他代表的な動画は「動画映像、CF。PuPAの世界観」こちらをご参照ください。
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