NHKの朝ドラも非常に優れているのですが…朝の貴重な時間、時計代わりに観てしまう不思議なテレビ局、サンテレビの再放送。どういう基準でシリーズをセレクトしているのか不可解ではありますが、このローカルテレビ局のセンスに、昔も今も影響を受けています。
金曜朝7時、エースをねらえ!
ということで「スカーレット」は良くできていて凝視…「おちょやん」は軽く流す…という生活リズムのなかで先日出逢ってしまったのが「エースをねらえ!」第17話でした。早朝の仕事を落ち着かせ、朝食と息子を送り出すまでのこの時間帯、ましてやコロナ渦下、変動する生活スタイルのなかで朝の時間に規律をつけなばならなりません。
で…チャンネルを回したら、そこに昭和があり、はじめてお蝶婦人と岡ひろみがお互いを補いながら「竜巻サーブに勝つ」お話の回ではないですか!そしてまた東京ムービー、えぇ仕事をしています。私は「エースをねらえ!」を見て中一のときにテニス部へ入部、少女漫画を読みはじめました。
両方ほど長続きはしませんでしたが、別冊マーガレットは今でもたまに読みます。
ステイホームによく効くサンテレビ
思い出したらステイホーム以前にも、この時間帯のサンテレビ再放送にとらわれていました。「巨人の星」これも東京ムービーですね。
原作マンガは所有しているのですが…実はアニメ版はスピンオフ作品が多く、初見の作品にうかつにも涙してしまいました。放映当時、兄とチャンネル争いになり兄は「巨人の星」、私は「スペクトルマン」と譲らず、両作品とも連続ものであるため、1週ごとそれぞれを鑑賞した経緯があるのです。若い方に、この感覚はわかるはずがないでしょう。なので見逃し作品に出逢えたわけです。
大リーグボール“消える魔球の謎とき”がえらく盛り上がり(一人リビングで朝食の段取りを済ませたのち)、その展開にワクワクして一日のモチベーションを高めておりました。
サンテレビの再放送は私の人生に大いに影響した
思い起こしてみると、中学高校と16時ごろに帰宅して観ていたのは再放送が多かったわけです。1950年代ダブルシアター(ドライブインシアターで2本立てでかかる映画)や名作を含めて、古典的な映画を途中からたくさん見ました。
ユニバーサルやフォックスなど、昔はどこも三流でたいして役にも立たない映画を紹介してくれました。実は今、それらが大変自分の肥やしになっています。
今思うと、こういう古典作品との出会いは再放送というシステムがあっての話であり、コンテンツが過剰化している今、相当意識しないと出逢えないものなのでしょう。息子に「宇宙水爆戦」とか聞いてみたら「写真で見たことある」という返事。これでは歴史の教科書に載っているザビエルの肖像画と同じ?
案外、サンテレビには愛着を感じる
一時期テレビ大阪の仕事をしていた折、何かの物足りなさを感じていたことを記憶しています。日経新聞という大株主のせいでしょうが、変なプライドというか。しょせん地方局は、そのポジションで面白くしていただければいいのです。海外のローカルテレビ局は昔からそうです。テレビ東京は見ますが、テレビ大阪の番組やイベントつくり方は気に入りません。
サンテレビの看板は、阪神タイガースの全中継と「ビッグフィッシング」です。雑誌釣りサンデーがテレビとシンクロする情報発信を始めたのは、メディアミクス事例として大いに尊敬していました。
おっさんテレビ、なかなか素敵なのです。
1970年代のアニメを朝から観れる安定感
なかなか生活のリズムが落ち着きません。YouTubeでいろいろ見ても、押し付けられている感じがあって、アルゴリズムによって自分を調整しにくくなります。
あたりまえですが、報道系の番組はCNN、BBCであっても暗くなりがちです。といって、「エースをねらえ!」や「巨人の星」の作品としての魅力は置いておいて、朝のこの時間に観るという価値が大切なのかなと。DVDを買ってしまえば、それで終わってしまうのかと。
出張などでは地元の放送局やFMを意識的に見聞きします。そういったスタンスが、心の余裕につながっているような気がします。
この記事へのコメントはありません。