自然な河川において人口の構造物は危険な存在で、橋梁、テトラポット、そして簗などはカヌー、カヤックで川下りを楽しむ人々にとって細心の注意が必要です。どこでも自在に、川下りができるわけではないのです。
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とある河川の調査を命じられたのは昨年
国に近い機関から「本当にこの川でカヌーを楽しめるのか?」という調査業務をお受けし、確かに何度も遊びに行っている川なので気楽に受託し、報告書を提出しました。“初心者単独では死にますよ”という結果レポートでした。人工物だけではなく、そもそも難易度が高い川です。また水量も安定してません。上のイラストは構造的に全くわかってくれない官僚さんに説明するために描いたもの。
この度予算要請のタイミングで、このコースのマップ作りの見積もりを出すようにと“初心者単独では死にますよ”と提示しているにもかかわらず、弊社に依頼が来るのです。もちろんお断りしましたが、どう考えてもベースにカヌーコースありきで、そのうえで物語が進んでいます。
有名なアウトドア用品メーカーの罪
とある有名アウトドアメーカーがこの地域における、もともとのマスタープランを作っています。現場を知っていれば書けるはずのないものを。この川はカヤック中級者以上でないと下れないことも知らないようです。仮に知っていたなら、犯罪と言えるでしょう。サイクリング、トレッキングなどのコース提案も拝見しましたが、現地を観て描いたようには見えません。
“初心者単独では死にますよ”という報告書を無視して、その会社の言うとおりにそれを提言している弊社にマップを作れというのは(アイミツなんでしょうけどね)余りにも思慮のあさはかな官僚の作業ということになります。
中国からのパーツが入手できなくて、このアウトドア人気のなか苦戦しているとも聞いていますが、はてさて、地域振興ビジネスで売り上げを挙げるつもりか?スノーピークさん頑張っているしね。
マップを信じて川下りした方が大けがしたら?
マップを信じて川下りした方が大けがしたら?ということです。だれが責任を取るのでしょうね?ホームセンターで入手できる空気注入式のカヌーでこういう難易度の高い河川を下ると、はっきり言って死亡リスクは高い。
マップを見ておススメということなので、川下りしました…どのセクターも知らんふりをするでしょう(ちなみに印刷部数は仕様書によると8千部という少なさ)。ある程度認識しとるなコヤツラ。
防災という名でセメントが増え遊びがもてあそばされる
あえて言うまでもないのですが、これらは防災対策の一環。要するに河川改修を進めるうえでの「とってつけたような」レジャー、親水空間整備なのですね。理屈は後回し。弊社は否定します、当然です。アウトドア系企業なので。
セメント屋を潤わせるためにカヤックを使うな。遊びをもてあそばせるなよ、有名アウトドア企業。最新素材を吹聴するならセメント使っとけ。残念過ぎるぞ。
予算要請のこの時期は身体に悪い
もちろん利益も出さねばならない会社組織である弊社も、ギリギリのところでお話にお答えするわけですが、本件のようなマップ作りは断じて拒否。死者を出すだけです。
ただただ楽しい川あそびを提供していきたいわけです。
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