「ディスカバリージャパン」とか「青春17きっぷ」とか…「遠くへ行きたい」とか「兼高かおる世界の旅」とか…。旅そのものの本質を大切にしていたのは1970年代からプラザ合意以降まででしょうか?
バブル、デフレを経て最近の旅バラエティーを見ていると消費喚起ばかりで…うんざりするのは私だけですか?観光は消費活動だけではなくて生産性を高めていたはず。人間関係資本(ソーシャルキャピタル)を主軸とした観光を取り戻すチャンスが今かもしれません。
バーチャル修学旅行事業!?
全国の小中高校を対象として、旅行会社A社がバーチャル修学旅行事業を始めるといいます。
VR、リモート交流、伝統工芸などの体験学習キットオプションなどと…こういったものはすでに想定内でありB社、C社にやらせて、その先を拓いていただきたかった…そしてこの事業は「3年持たない」ということをシミュレーションするべきでしょう。
旅行がサンミツでできないというのはマスツーリズムが前提(生徒数分のキットの販売)であるという頭の固い発想だと思います。3年先の修学旅行を販売せねばならないのに…
あたりまえの日常が新鮮なのです。特に子どもたちにとっては…。林業なんて問われると、案外、つい最近の出来事なのに知っているようで知られていないものですね。これをデジタルデータを見せて「知ったふりをさせる」(かくいう私もパワポで紹介してきた…反省)のは今改めて危険な感じがいたします。
15年戦争や自然災害の記憶を風化させない…それはそれなのですが、日常の生業は“気が付けば風化”してしまったのかもしれません。
日本における旅の原型的なスタイル
江戸幕府は中央集権の象徴として参勤交代をすすめました。功罪あるものの、関所と宿場、街道の造成は国内に観光のインフラをもたらしました。同時代の世界を見渡したら“巡礼の道”以外このような都市集中の道は少ないのです。
長い旅の間にはシケ、大水、地震など自然環境の変化があり、いわゆる“泊り”では浄瑠璃、芸能、博打などが生まれ人間関係が密接になりました。これが近世以降の日本における旅の原型的なスタイルではないかと思います。
歌舞伎なんかそういうネタが多いですね。数年を経て再開、邂逅するという感じ。それらを自然に生み出せる仕組みを作れれば、それこそ持続的観光となるでしょう。
日本における旅の原型的なスタイル
岡山県塩飽諸島で「島の盆」を見てきました。特に今年は新型コロナ感染症対策として踊りなどの行事はなく、つつましいものです。浄土真宗のお経と思われ、西方浄土へ船に乗せた送り火を高僧と檀家衆が見送るものでした。隣では花火大会…離島の過疎化は深刻なのです。今年はお盆も帰れません。
この島には中学生が2名だけなのですが、遠隔授業を進めているといいます。今年のこの実績からGIGAスクール構想が一挙に進むといわれていますが、やはり違和感を覚えます。この島へ訪れてみたいと思いませんか?中学生と逢いに。
例えば身近なところで役所周辺のランチなども
少し違う視座で見てみましょう。神戸市や明石市はすごく進んでるなぁ~と感じるのが役所近隣のランチ相場価格です。1,000円1,500円は当たり前ですね。しかし多くの役所周辺では…地域産業の活性とか独自商品の開発と叫んでいる方々がワンコイン弁当を…強要とは言わないまでも「普通のこと」と見逃します。
少なくと役所の方々が飲食店の発展的な価値を阻害しているといえなくないでしょうか?
マーケットとしては見逃すわけにはいきません…しかし低価格化の競争はえげつない結果にたどり着きます。単価はもちろんですが…公務員給与とかどうのこうのは最大限擁護(信じて)しますが、もしかしたらあなたたちが中心市街地をダメにしている可能性があるということ(うわ…講演ネタをはじめて活字にしてしもうた)。
せめてデリバリーではなくその店に行って、今の状況を聞いてほしい。
アウトドアだからできること その可能性
社会的な現象として「アウトドアブーム」は1976年あたりから変容を繰り返し、ずっと続いています。新しくなっているのではく、退化している感じがします。
シンプルに自然と対峙して、自らの暮らしを悟ったり、精神と肉体を自然になじませるものだったと思いますが…焚火の前でスマホをいじり「ほかの焚火の動画」を見たり、百貨店のフロアで疑似キャンプをしてみたり…
まぁ、かまいませんが。仲間と死に直面するような経験もアウトドアでありまして。危険を冒せという意味ではないですが、危険を予測する能力は、相当養われます。
そして地域にお住いの方々との交流も。
他人との本来の意味でのソーシャルディスタンスを学ぶことも、アウトドアの可能性です。また歴史、文化も解説、触れることができます。人間関係資本(ソーシャルキャピタル)ということを考えると、私どもがなさねばならない“通訳”は山積しております。
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