感染症拡大のなか、今年の2月に帝国ホテルが30泊(最安で36万)プランを発表し、直後に売り切れたというニュースは興味を持ちました。外出づらいので、質の高いサービスを愉しむ…。海外リゾートでのバカンスなどでは常識ですが、今まで日本では忌避されていました。ある意味これは日本の観光を変えるエポックだったのです。
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京都、大阪では容易に可能な6泊7日
私の関わった市町のなかで、仮に6泊7日の滞在とアクティビティーを提供できるところがどのくらいあるものか?もっというと、自分がメインガイドとしてご案内して信頼できるにローカルガイドにバトンを渡し続けれるかという観点です。
宿泊場所は数回変えることで、地域の食や交流のバリエーションと高めれるところとなると真っ先に浮かぶのは弊社のある大阪市、そして京都市です。豊富な宿泊施設、メディアに紹介されない穴場などまち歩きコースとともにガイド人材も豊富です。特に食は奥が深すぎます。
多彩なコンテンツからテーマを選べる神戸市
神戸市は、半年間で50数コンテンツを組み立てた経験がありますので、結構テーマ豊かにに組み上げれるでしょう。ファッション、建築、グルメ、温泉、アウトドア、ナイトアミューズメントなどなど、嗜好性にあわせた飽きさせないものができます。パン屋めぐるだけでも4日は持ちそうです。洋食屋なら、おそらく7日は繋げれるでしょう。
神戸という品格があるので、宿泊施設もそれなりのを選ぶ必要がるため、少々お高くなるかも。思えば「おとな旅 神戸」をやっていて収益性の低さが弱点だったことを考えると、なぜあのとき6泊7日の発想が浮かばなかったか、無念ではあります。
別府市…地獄めぐりだけではない。
ハイソサエティーなホテルの温泉から、無料の公共・公衆浴場まで多彩なお湯のまちは当然ながら組み立てれます。考えてみれば湯治の感覚であり、もともとそうであったわけで、少し足を延ばすと「ちとややこしい」ところもあり楽しめます。
私個人的な欲望としては、鉄輪でなら地獄蒸しだけで3か月ぐらい滞在できそうな勢いです。まあ、6泊7日というのは採算ラインと飽きのこないコンテンツの組み合わせで旅行商品として成立するでしょう。
そもそも団体旅行にせよ個人旅行にせよ、日本の場合1泊滞在が前提なわけで旅ホ連も旅行会社も頭が固いのです。とある地方の有名旅館に2泊3日した折、同じ夕食が出てきたこと思い出します。
漁師仕事を楽しみながら滞在できる伊根町
富裕層欧米人のバカンスのなかで、現地人の仕事を眺めて長期滞在するスタイルも少なくありません。それは決して体験するとかいったものではなく、景色の一部として鑑賞するスタイルです。これが可能なのが舟屋で著名な伊根町。
実際、舟屋型の宿泊施設も増加傾向にあり、良いホテルからかなりワイルドな舟屋までいろいろと選べるでしょう。20年ほど前に視察に赴いたニセコ(インバウンドの旗手であった)で見た光景は、大型のバッグを大量に積載できる、新千歳からの直行バスでした。自分たちで観光業によってまちの賑わいを拡大してきた伊根町にとって、6泊7日滞在を実現するにはこういった交通インフラの拡充が課題となるでしょう。
仁淀川との組み合わせで可能性がある高知市、伊野町
実は高知市だけでは6泊7日は持たない高知市…ですが、仁淀ブルーで知られる伊野町と組み合わせることで、地元のポテンシャルがさらに広がります。2泊ほどグランピング施設(予約が取りにくいと聞くが…)高知の山、里、海など地理的な要因がよくわかり楽しめます。
梼原の雲の上ホテルは景観鑑賞を強く意識した平屋建てで、最高級オーディオがありテレビはなし。料理はカウンターでいただける受け入れ人数を極限まで減らしたものでした。今考えるとあれは長期滞在を強く意識した、高知のめずらしいホテルでした。
沖縄と一線を画する奄美市、さらに異なる徳之島
鹿児島の島はそれぞれが個性的な文化を備えており、すべてが沖縄とは一線を画します。船舶での移動を含んで二つの島、6泊7日滞在は可能です。二島を比べながらレンタカーで巡るのは、かなり濃いと思われます。微妙な食文化の違いや、歴史的な島の文化的相違…ぜひメインガイドを務めてみたいものです。
ほかにもいくつか候補は見当たるのですが、コンテンツはあれど…ローカルガイドなどの人的資源の少なさと、魅力ある宿泊施設の少なさで6泊7日が組めないところも少なくないですね。
6泊7日が休めない…というあなたは有給とリモートワークをもっと深めていただくことで、旅行の概念を変えていただきたい。今回ご紹介した市町は、帝国ホテルの6泊7日よりもずっとお安いのだから。
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