子どもたち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育 ICT 環境の実現に向けて~令和時代のスタンダードとしての1人1台端末環境~GIGAスクール構想。新型コロナ感染防止対策として「それは進めるべき!」という傾向が世論の大半かもしれません。しかし実は、教育、地域振興にかかわる身として、大変な悩ましさを感じております。学校の問題だけではないのです。
ゲストティーチャー、出前授業はもう不要
もしかしたらですが、学習発表会自体もリモート、オンラインで済ませちゃえば保護者も“観たことに”なる。また記録もできる。そういうことにつながっていくのでしょう。ゆえにゲストティーチャーなどは必要がなく“1人1台端末環境”にて済まされます。コスト低減につながります。確かに、これまでゲストティーチャーや出前授業の費用捻出は、学校においては大きな負担でした。伝統芸能鑑賞や交通安全教室(派遣する側は…皆さんお困りになるでしょうね)などは顕著です。
修学旅行の変化、語り部はいらない?
修学旅行などは“1人1台端末環境”でどう変わるのか?旅行へ出かける前の事前学習、そして事後学習、課題探求型学習としては発表まで、笑ってしまいますがリモートで形式上成立します。すでに修学旅行に行く必要はない?
旅行会社にとっては死活問題に陥っています。やっぱり現地に行かんとわからんもの、体験できないものがありますよ…と苦し紛れでプレゼンテーションしている姿が目に浮かぶのですが、GIGAスクール構想の未来を甘く見ていてはいけません。長年、このジャンルで仕事をしてきた実感として感じることです。事前予約、大規模移動、飲食など修学旅行におけるマス消費のインパクトとは半端なかったのです。
語り部さんは自宅からリモートで語る?それはそれで価値がありますので、否定はしません、高齢化してらっしゃるし、アーカイブの充実が求められるでしょう。しかし、現地でお話しされる語り部さん、そのプログラムに高校生や大学生、そして地域の方々が干渉し、自らの学びを形成していることを忘れてはいけません。
地元商店街の本屋さんなどは?
教科書など…無くなったらどうなりますか?なぜか教科書は地元の商店街などの“特定”“指定店”などでの購入であり利権が付きまとっておりました。以前はこういったシステムに義憤を感じた頃もありましたが、GIGAスクール構想において教科書は必要なくなるのでしょう。
ハンコとともに領収書も無くなるのでしょうか?死んでゆく書店の姿が見えてきて残念ですね。しかたがないといえば、そうかもしれません。
しかし…さらに恐ろしいのは新たな“特定”“指定店”が“1人1台端末環境”に付随していくと考えられるということです。
学校は地域経済を支えているのに
制服。部活動のスポーツ用具なども同じでしょう。
学校、部活での需要で生き延びてきた商店街のお店も…深刻な状態に導かれるのです。なぜなら新たな“特定”“指定店”への誘導を“1人1台端末環境”がすることになっていくわけです。ざっと俯瞰してみて、これがGIGAスクール構想なのですね。利権の更新というかなんというか。
さて、だから弊社PuPAは地域とともに、新しい学校を作らなければならないと考えるわけです。
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